長時間労働という「働き方」の日本とアメリカの違いについて考えてみる

長時間労働という「働き方」の日本とアメリカの違いについて考えてみる

2016年に安倍晋三首相が「働き方改革」の取り組みを提唱して以降、政府や企業の労働環境の見直しを目的とした取り組みが度々報道されていますね。

この施策の目的は「日本の労働力不足の解消」ですが、サラリーマンの私が真っ先に自分事として考えたポイントは「長時間労働の改善」でした。

なぜなら日本は世界的に見てトップクラスの長時間労働を誇っており、

過酷な労働環境を強いられていると勝手に思っていたからです。

 

しかし、アメリカに赴任し、自分の周りで長時間ストイックに働いているアメリカ人達を見てその考えは変わりました。

これはもしや。。と思いとある統計データを眺めていると、

そこにはアメリカ人が日本人より長い時間働いているというデータが示されていました。

 

では、なぜ残業はほとんどせず家族との時間を大切にすると言われているアメリカ人が長く働くのでしょうか?

今回はアメリカ人の長時間労働の実態から、

私が感じた日本人とは決定的に違うアメリカ人の「長時間労働」への意識について共有していきたいと思います。

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 日本人より長い時間働いているアメリカ人

下表をご覧ください。これはOECDが出している2016年度世界労働時間ランキングです。

順位 国名 労働時間(年間)
1 メキシコ 2255
2 コスタリカ 2212
3 韓国 2069
4 ギリシャ 2035
5 チリ 1974
6 ロシア 1974
7 ポーランド 1928
8 ラトビア 1910
9 イスラエル 1889
10 リトアニア 1885
11 アイスランド 1883
12 アイルランド 1879
13 エストニア 1855
14 ポルトガル 1842
15 アメリカ 1783
16 チェコ共和国 1770
17 OECD平均 1763
18 ハンガリー 1761
19 ニュージーランド 1752
20 スロバキア 1740
21 イタリア 1730
22 日本 1713
23 中国 1703
24 スペイン 1695
25 スロベニア 1682
26 英国 1676
27 オーストラリア 1669
28 フィンランド 1653
29 スウェーデン 1621
30 オーストリア 1601
31 ルクセンブルグ 1512
32 フランス 1472
33 オランダ 1430
34 ノルウェー 1424
35 デンマーク 1410
36 ドイツ 1363

OECDの平均年間労働時間は、1,763時間となっていますが、

日本はその平均を下回る1,713時間、アメリカは平均を上回る1,783時間となっています。

もちろん日本のサービス残業等がどこまで反映されているか等、データとしてどの程度正確なものかはわかりません。

しかし、個人的な実感値としてはこの差以上にギャップがあるように思います。

その理由は24時間/365日働くことが可能なリモートワークが出来る環境と彼らの仕事観にあると思います。

 

 理由①  柔軟な働き方を支える広大なITインフラと寛容性

アメリカに赴任して驚いたのは、いつでもどこでも仕事ができる環境とそれを惜しみなく提供し続けることを良しとするIT部門の方針です。

リモートワークを可能にするインフラ

VPN(仮想プライベートネットワーク)

オフィスにいなくとも会社のネットワークにアクセスすることができます。これによって、どこからでも社内のシステムにアクセスが可能です。

共有ファイルのクラウドストレージ活用

最近多くのアメリカ企業は共有ファイルを社内ネットワークではなく、外部のストレージサービスを活用するようになっています。私の会社ではOne Drive(Microsoft)を利用しています。これは非常に便利でして、VPN利用のパソコンが無くても、個人のパソコンはもちろん、タブレットやスマートフォン等、様々な端末からファイルにアクセスできます。

Web会議システムの普及

日本で働いていた時、社内の会議に参加するためには専用機器や社内のネットワークにアクセスできる環境にいないと参加ができませんでした。

一方アメリカの会社ではWeb会議が主流になっており、自分のデスクからはもちろん、自宅や出張先等から出席できます。

寛大なIT部門の方針

あくまで私が勤めている会社の話ですが、日本では上記のクラウドストレージサービスの利用はもちろん、VPNの利用も上司の許可がないとできない状況でした。会社以外の場所で仕事をすることは大変ハードルが高かったです。

 

しかし、アメリカでは上記のポイントはもちろん、個人所有のスマートフォンに会社のメールアカウントを紐付けることも許可なしで可能です。

もちろん弊社が比較的その点遅れていただけかもしれませんが、私にとってはITの環境/考え方の違いに大変驚きました。

 理由②  いつ自分が解雇されるか分からないという危機感

私の会社の上司/同僚は、オフィスでの残業こそ長時間はやらないものの、深夜、出張先やその移動中、人によっては休暇中も働きます。

その理由は「いつ自分が解雇(クビ)になるか分からないから」だそうです。

アメリカの会社は個人成果主義、かつ競争の激しい世界なのでいつ自分のデスクが無くなるか分かりません。気が付いたら仲の良かった同僚を見なくなったという経験もあります。

この状況下につき、極限まで自分の価値を高めるためには継続して自身のアウトプットをスピーディーにブラッシュアップさせる必要があるのです。

 

 望んで長時間働くアメリカ人と長時間働かされる日本人

以上の背景から、長時間働くことについて文句を言っているアメリカ人は他社も含めて会ったことがありません。

(「深夜まで仕事して寝不足だ」レベルはありますが。。)

彼らにとって忙しいことはこの競争社会ではありがたいことです。また自分の価値が高いことを証明されていると彼らは信じています。従い、それを可能にする便利なITインフラは大歓迎されます。

一方で日本。私の会社の話ですが能動的に長時間働くというよりは、上司から資料作成を頼まれた/いきなり短納期で他部署から頼まれた等の理由から長く遅くまで働く人が多かったように思います。

 

私もその一人でした。

 

もちろん日本ではこれらの対応が自身の評価や社内のネットワーク構築に繋がるという側面もあります。

しかし、自分の仕事のアウトプットを最大化するために能動的に長時間やっている人は私の周りではあまりいませんでした。

 

長時間労働が良い/悪いの話ではなく、

国や文化によって長時間働くことへの価値観の違いが非常に興味深いなと思い今回シェアさせてもらいました。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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