Amazon│製造業(メーカー)にとってアマゾンは見方か?敵か?

Amazon│製造業(メーカー)にとってアマゾンは見方か?敵か?

世界最大にして最強の小売チャネルと言っても過言ではなくなってきたAmazon(アマゾン)

Amazonとは、、、

  • 先日世界一のお金持ちとして報道されている、Amazonの創業者兼CEOジェフ・ベゾスが1994年にインターネット書店として事業をスタート
  • 「The Everything Store(この世のあらゆるモノを売る)」をVisionとして掲げ、その後20年余りで売り上げ高1359億円(約15兆円)時価総額4700ドル(約52兆円)の巨大企業に成長
  •  事業領域は広がり、自社で仕入れて販売する分を含めた小売事業は20%前後の伸びが続く。
  • 他の小売業者がAmazonのサイトに出品/販売する「マーケットプレイス」も全販売量の半分以上を誇る。
  • 米国のeコマース市場でシェア40%以上

そんなAmazonのとある取り組みが最近米国のマーケティング業界で話題を呼んでいます。

それは、Amazonが本業のeコマースでの販売(小売)や物流に加え、委託製造による自社ブランド商品のラインナップを増やしていることです。
メーカーとしての性格を強めてきているAmazonは高品質な商品を比較的安い値段で販売することで、製造業(メーカー)のブランドと競合しています。
従来、メーカー視点でAmazonは「自社ブランドを売ってくれる“買い手”」、売り手と買い手の関係でした。つまりパートナーだったのです。
この従来の構図が今徐々に変化しており、メーカーがAmazonを買い手としてではなく、競合として認識する必要がでてきています。

つまり単純なギブアンドテイクの仲ではなくなったのです。

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AmazonのPB(プライベートブランド)の広がり

Amazonベーシック(Amazon Basics)」をご存知でしょうか?
これはAmazonのPB商品郡の総称で、ここ最近Amazonが力を入れている分野の一つです。

PBの立ち上げ自体は2009年に行われていたのですが、Amazonのブランドだと表示されていない場合がほとんどなので、ユーザーにはAmazonブランドだということはあまり認識されていなかったようです。
しかし、1010dataが先日発表したレポートによれば、Amazonのプライベート・ブランドは広がりを見せているようです。
Amazon Basicsには「毎日必要なアイテム」をコンセプトに多くの商品が取り揃えられています。スマートフォンの充電器からHDMケーブル、bluetoothスピーカー(Alexaを除く)のようなエレクトロニクス製品、各種オフィスサプライ、シーツ、バスタオル、ペット用品まで品揃えは充実。トータルで2000種類近いプロダクトを取り扱っており、これまでのところAmazonのプライベート・ブランドとしては最大のマーチャンダイジングとなっています。
1010dataの調査によれば、2017年上半期のAmazon Basicsの売上は2億ドル以上になったそうです。

Amazon PB品の消費者からの見え方

電池

AmazonのPB品

メーカーブランド品

 

Iphone用の充電ケーブル

AmazonのPB品

メーカーブランド品

きちんと各商品を調べれば商品性能の違いは出てくると思います。

しかし、消費者が商品から享受できる/できると感じられるベネフィットの差を購入前にイメージできなければ、値段で選んでしまいますよね。
商品の外観は似通っていて、従来品と同じような性能を持っているように見え、価格は従来品と比べて安い。

この点がAmazonのPBの広がりの要因だと思います。

製造業(メーカー)が今苦しんでいること

上記の例のように、Amazonが進出している一般消費財マーケットではコモディティ化が進んでいます。消費者が商品から得られるベネフィットがどの商品を選んでも大差がなくなり、購入決定要因は価格の勝負になってしまう状態です。

コモディティ化が起こると、一般的にメーカーは差別化を図るべく品質や他のベネフィットを常に向上し続けなければならず、時に競合と優位性を出すために価格を下げなければいけません。もしくは下がり続ける競合品の価格に追随する必要があると判断した場合には、品質や性能(ベネフィット)を下げるという選択をする必要があるかもしれません。

Amazon Basicsのように小売チャネル独自のPBや専売ブランドが消費財市場では現在増えています

これらのブランドの大部分がメーカーの自社ブランド品よりも価格は安く、一方で品質や性能は上位ブランドとの差が埋まってきています。
メーカーはこれらの商品に売り勝つために、商品の開発という点では「品質/性能を向上させる」「価格を下げる」「イノベーションをおこして、革新的な商品を投入する」の3つしか方法はありません。
しかし、品質/性能の向上には限りがあり(業界によっては頭打ちしている)、イノベーションのハードルは高く、価格競争に突入するしか方法がないという現状に直面しているメーカーが多い印象です。

メーカーはAmazonとどう付き合えばいいのか?

個人的にはAmazonがeコマース最大のチャネルであることは変わりはないので、特別な理由がない限りAmazonへ自社ブランドを扱ってもらえるような協働体制を築いていくべきだと思います。一方で、Amazon偏重のチャネル戦略はAmazon Basicsとの競争を強いられることになるのでリスクは高いです。
Amazon Basicsに何かしらの点で競争優位性のある商品を、自社のOn-Line/Off-Line含むチャネルで顧客に購入してもらえるような取り組みが必要だと思います。

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