大企業社員が証言 英語社内公用語化がもたらす4つの不都合な真実

大企業社員が証言 英語社内公用語化がもたらす4つの不都合な真実

「楽天」やユニクロを運営する「ファーストリテーリング」を初め、社内で使う公用言語を英語にすると発表している会社が近年増えてきています。

各社の英語公用化の推進目的を見ていくと、、、

楽天株式会社

  • 優秀な人材の確保(日本語を話せなくても優秀な人材が世界中にはたくさんいる)
  • 海外のグループ社員やパートナーとのコミュニケーション促進
  • インターネットビジネスの最新情報は英語で発信されているから

Source; http://president.jp/articles/-/14746

株式会社 ファーストリテイリング

  • 事業のグローバル化に伴い、社内の英語力向上も必要
  • 今後日本企業が海外で生き残るためには英語は必要だと考える

Source; http://u-note.me/note/47496759

アサヒビール株式会社

事業の更なる海外展開を目指して、様々なフィールドで活躍する国際感覚を持つ社員を育成したいと考えており、英語力の向上は必要条件。

Source; http://english.evidus.com/magazine/business/12.html

例に挙げた上記3社やその他英語社内公用語を宣言している会社も、事業のグローバル化に伴う社員の競争力向上が問題意識として大きいようです。

私が勤めている会社でも、日本の本社では同じような目的で英語を社内公用語として数年前から取り入れています。

ではこの新たな取り組みが社員の仕事や仕事環境にどのような影響を及ぼしているのか、私の体験談や英語を社内公用語として使っている大企業に勤めている知人の話を基にシェアしたいと思います。

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英語を使う必要がない部署の社員への負担

「全社的に事業のグローバル化を推進しているのは分かるが、私の部署は国内営業。なぜ、お客さん相手に使うためではなく社内のコミュニケーションのために英語を勉強する必要があるのか?

IT系の大企業に勤める知り合いはよく嘆いています。その知人曰く、全社員に一定のTOEICの点数を課し、社内の会議は1人でも日本語が分からないスタッフがいれば英語で実施し、関連部署とのメールでのコミュニケショーンは相手が日本人であっても英語を使う必要があるとのことです。

TOEICの点数が会社の基準以下だと待遇面で不利になり、社内の会議や関連部署とのコミュニケーションが上手くいかないと自分の仕事に影響がでてきます。

その知人は会社が課したTOEICのスコアをクリアできていないため、忙しい中隙間時間を見つけてTOEICの勉強をし、社内への報告や説明のために英語で作った資料を顧客やパートナー向けに日本語に翻訳しているようです。

このように自身の業務の本質ではない部分で努力や作業を強いられている人が多いように感じます。

英語が話せる人のみで仕事が進んでしまう

私の知人のように、英語の社内公用言語化を推進している大企業全員が英語が堪能でペラペラという訳ではありません。もちろん会社によると思いますが、むしろ英語が苦手な人の方が割合として多いと思います。私の会社の場合でも、英語を自信を持って使いこなせる社員は、感覚値で全体の2-3割だと思います。イメージとしては各部署に2-3名英語が堪能な人がいるという状況です。

一方で外国人の管理職が増え、重要な会議は全部英語で行われます。そこで起きてるのが英語力による仕事の割り振りです。重要な仕事や案件は全部英語ベースになることから、英語が堪能なメンバーに仕事が集中する傾向にあります。日本人上司としてもその方が自分よりもさらに上の役職の外国人上司への報告や海外パートナーとのやり取りを全て任せられますし、外国人上司にとっても意思疎通が容易にできるので仕事が進めやすいのです。

一方で英語が苦手なメンバーに対しては日本語だけで事足りる比較的重要度が高くない案件や評価に繋がりにくい案件ばかりが集まるようになります。

実力や経験、スキルの有無関係なしに仕事が割り振られているので決して健全な状態とは言えないです。

日本人のための会議が増える

とはいえ、サラリーマンである以上、自身の立場や仕事を守る必要があります。

そこで行われるのが、「日本人だけの日本語で実施する日本人のための秘密会議です。」

例えば英語で行われる会議前だと、会議の流れや結論、事前の根回し/交渉事を日本人だけで事前に握っておく。会議後だと、会議の内容や結論が分からなかったメンバーで集まり復習会をする等です。このように仕事や全体の流れについていくために、日本人間の追加会議が増えていきます。

これが現場社員であれば何の影響もないのですが、役員やそこそこの権限をもった上位職者が絡む場合は非常にめんどくさいです。

社内の立場が上だからといって英語が堪能ということではありません。むしろ、大企業の役員や立場の上の人は年齢的に英語が苦手な方が多いです。

英語で行われている会議中、英語が原因で聞き取れない。理解できない。質問もできない。とりあえずその場はやり過ごす。そして、その会議後日本人メンバーだけに「英語で報告されても何を言いたいのかよく分からない」ということで緊急招集がかかり、外国人社員が行った報告内容を日本語で再度説明することが頻繁にあります。

最悪の場合、「思っていたのと違う」と会議が終わった後に会議での結論を日本人役員や上の立場の人がひっくり返すこともあります。

簡単に決定事項が2転3転するのでは、現場の社員としてはたまったものではありませんよね。

翻訳作業が必要になり仕事が増える

つまり英語を苦手とする社員が役職や立場に関わらず大半なことから(もちろん会社によります)、書類やプレゼン資料は日本語版と英語版の2種類が必要なことになります。そこで発生する作業が日本語⇔英語の翻訳作業です。

自分が作った資料の翻訳作業であれば100歩譲って納得できるとしても、他人が作成した内容がよく分からない資料の翻訳作業は骨が折れます。

特に後者のケースの場合、「勉強」という名目で20代の若手に押し付けられる傾向があり、英語が比較的できる若手には翻訳指示が殺到します。

これが自分の評価に繋がるわけではなく、デットラインもあまり猶予がないケースが多く自分の仕事そっちのけで対応する必要があることから、かなり負担です。

 

このように、英語の社内公用語にもデメリットはあります。個人的には、日本人スタッフの英語への苦手意識や拒否感を取り除くことが最初のステップとして必要になってくると思います。

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